抄録
大腸癌では,肝転移に対しては肝切除により,局所再発に対しては広範囲再切除により延命効果が得られる症例がある.
肝転移予知のパラメータとしてv因子は重要であり,肝転移の存在診断あるいは局所浸潤範囲の診断にNMRは有力である.
早期発見・早期手術による初回治療の成績向上と共に,積極的な再発・転移の診断・治療も重要であり,再発防止に対するBRM(biological response modifier)の経口投与,肝切除後のadjuvant adoptive immunotherapyは今後期待し得ると思われる.