日本大腸肛門病学会雑誌
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直腸癌に対する術前照射・抗癌剤局注併用療法の治療成績
更科 広実斉藤 典男布村 正夫新井 竜夫奥井 勝二轟 健岩崎 洋治大津 裕司
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1988 年 41 巻 4 号 p. 366-371

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抄録

進行直腸癌21例に術前照射42.6Gyと腫瘍内抗癌剤局注併用療法を行い,非照射群,照射単独群と比較し合併症,再発様式,遠隔成績について検討した.局注併用群の28%に注射後一過性の発熱がみられた以外,照射中の副作用や術後の合併症で3群間に差を認めなかった.術後5年間の再発率は非照射群52.0%,照射単独群20.0%,局注併用群23.8%であり,このうち局所再発は術前照射の行われた2群に著しく減少していた.累積5年生存率は非照射群56.0%,照射単独群69.2%,局注併用群77.8%であった.とくに局注併用群は他の群に比べ生存率に有意差傾向が認められた.

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