日本大腸肛門病学会雑誌
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深部痔瘻における CT 検査の有用性と限界
鈴木 紳一郎松本 昭彦河野 一男松島 誠大見 良裕鈴木 和徳衣笠 昭鈴木 信夫松島 善視朝倉 浩一安藤 和夫
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1990 年 43 巻 3 号 p. 400-407

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抄録

深部痔瘻の術前検査として深部痔瘻30例, 痔瘻癌1例に CT 検査を行い, その有用性と限界を検討した.CT 画像上深部痔瘻は索状陰影または腫瘤様陰影としてとらえられた.この腫瘤様陰影と癌腫との鑑別にはCT 下生検を施行することにより確診がついた.一方読影不能症例も存在し, IIHC では8例中3例 (37.5%), IIHC+IIIB では11例中1例 (9.1%) であった.とくに直腸狭窄を主病変とする症例は CT 画像上読影できなかった.深部痔瘻における CT 検査の利点を経直腸的超音波検査と比較し, われわれの画像診断方針を定めた.すなわち通常検査として経直腸的超音波検査を施行, 1cm以上の病変を有する症例には CT 検査を追加し, さらに癌腫を疑うとき積極的に CT 下生検を施行していくこととした.

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