抄録
フローサイトメトリーにて直腸癌151例の核DNA量を測定し,壁深達度,リンパ節転移,stage分類とDNA ploidy patternとの関係およびそれらの因子別にploidy patternと予後との関係について検討した.進行した直腸癌症例ほどaneuploid例が多くなる傾向が見られた.他病死を除く135例全体ではdiploid例はaneuploid例より有意に予後良好であった.それぞれの因子別での検討ではploidyにより累積生存率に有意差が認められたのは,壁深達度ではss(a1),リンパ節転移の程度ではn(-),stage分類ではstage IIであった.