日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸癌と他臓器重複癌の検討
久保 章伊東 重義山内 毅
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1992 年 45 巻 7 号 p. 1039-1044

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抄録

1984年から1991年までの8年間に経験した大腸重複癌につき臨床的検討を加えた.同期間の大腸重複癌は15例で大腸癌手術例の9,0%であった.平均年齢は66.9歳と高く,男女比は11:4と男性に多かった.癌の家族歴は46.7%と高率にあった.重複他臓器癌は胃が最も多く66.7%であった,15例のうち4例は同時性であり11例が異時性であった,同時性重複癌では他臓器癌のために非治癒切除になった症例が多かった.異時性重複癌では第2癌に対して根治術が施行できた症例は63.6%と低く,進行した状態で診断されたものが多かった,癌の根治術後であっても重複癌の存在を念頭におき経過観察を行なう必要がある.また,大腸癌手術の際には,術前・術中を通じて他臓器の検索を慎重に施行すべきである.

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