日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸癌イレウス102例の部位別検討
酒井 敬介豊島 宏板東 隆文磯山 徹
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キーワード: 大腸癌, 腸閉塞
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1995 年 48 巻 7 号 p. 566-573

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抄録

大腸を盲腸・上行結腸(以下CA),横行結腸下行・S状結腸,直腸の4群に分け,救急手術を施行した102例の大腸癌イレウス症例(以下イレウス例)の部位別の特徴をイレウス症状を呈しないmp以上の進行大腸癌症例(以下非イレウス例)833例と比較した.イレウス例は,非イレウス例に比し有意に高齢であり,stage IV,n3(+)以上,腹膜播種症例の比率が高く,また5年累積生存率が有意に不良であった.イレウス例の部位別検討ではCA群だけが他の部位に比し年齢が高く,進行度などで有意に高く,また切除率も不良であった.このCA群の特徴がイレウス例と非イレウス例の間の臨床病理学的性格の差の大きな要因となっていた.今後,これらの症例を早期に発見できるような検診体制の整備が重要であると考えられた.

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