日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸集検発見癌の特徴
検診の効果的・効率的サーベイランスについて
牧角 寛郎今給黎 亮牧角 丞治今給黎 茂牧角 仙烝石沢 隆
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1997 年 50 巻 3 号 p. 149-154

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抄録

わが国では,大腸癌による死亡率の上昇に対し,早期発見・早期治療を目的として大腸癌集団検診が施行されてきた.当院でも集団検診発見例を多く経験してきたが,逆に実績が上がるにつれて今後の課題も多く認められている.今回1988年より1995年まで当院で発見された症例を,逐年検診群,初回検診群,要精検未受診群の3群に分けて大腸癌検診の効果的・効率的サーベイランスについて検討し以下の結果を得た.(1)逐年検診群では,m癌が多く発見される.(2)初回検診群では多くの癌が発見され,m癌以外のいろいうなstageの癌が発見される.(3)要精検未受診群は,m癌以外の進行した癌が40%に発見されている.以上より初回検診受診率・要精検受診率の向上が大腸癌検診の効率化に有用と思われる.(4)初回検診にて精検を施行し,異常なければ初回検査の見逃し病変を拾うための1年目の経過観察以降は,隔年検診でも問題はないと思われる.

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