抄録
大腸癌手術125症例に対し,血清CEA・CYFRA21-1・IAP・CA19-9の4種類の腫瘍マーカーを測定するcombination assayの臨床的意義について検討した.4種類の腫瘍マーカーの陽性率はCEAが最も高率で,2種類ではCEAとCYFRA21-1,3種類ではCEA・CYFRA21-1・IAPが最も高率な組み合わせであった.また4つの腫瘍マーカーのいずれかが陽性であった頻度は65.6%であった.転移との対比では,肝転移はいずれのマーカーでも,腹膜播種ではCYFRA21-1で,リンパ節転移ではCYFRA21-1とCA19-9で,転移例は非転移例に比べ陽性率が高かった.深達度ではss,a1より深くなると,浅いものに比べ,CEA・CYFRA21-1・IAPの陽性率は有意に高くなった.予後との関係は,4種類の腫瘍マーカーいずれも陽性例は陰性例に比べて有意に予後不良であった.また陽性となった腫瘍マーカーの個数で生存率を比較すると3種類以上で全症例または治癒切除例において予後不良の傾向を示した.
以上より,腫瘍マーカー個々の特性をふまえた4種類の測定は,大腸癌の病期進行度・予後を推定するうえに有用と思われた.