2001 年 54 巻 6 号 p. 403-409
症例は17歳,女性,肛門周囲の腫脹を主訴にて来院.会陰部に8×6cmの腫瘍と左鼡径リンパ節の腫脹を認め,病理組織検査では2番染色体と13番染色体の相互転座t(2:13)が見られる胞巣型横紋筋肉腫であった.化学療法にて約90%以上の縮小効果を得て,根治手術(直腸切断術・膣後壁合併切除・両厳径リンパ節郭清)および放射線療法を行った.術後5カ月左乳腺転移を認め,大量化学療法+PBSCT(末梢血幹細胞移植)を施行したが効果なく全身転移を来し,治療開始後約2年で死亡した.
会陰部横紋筋肉腫は稀な疾患で難治である.本邦報告例29例を合わせて検討した.