日本大腸肛門病学会雑誌
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直腸転移を来たした悪性黒色腫の1例
古川 滋加藤 元嗣中川 宗一大川原 辰也河原崎 暢小松 嘉人鈴木 岳加賀谷 英俊工藤 峰生八百坂 透浅香 正博
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キーワード: 悪性黒色腫, 転移, 直腸
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2001 年 54 巻 6 号 p. 397-401

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抄録

顔面に原発し,切除後6年5カ月の経過を経て直腸転移が認められた悪性黒色腫の―例を経験した.症例は51歳男性.主訴は血便と下腹部痛.昭和63年に近医で皮下腫瘤の切除術を受け,悪性黒色腫と診断された.平成7年5月頃より便に血液が付着し,下腹部痛も見られたため7月6日当科を受診した.下部内視鏡で直腸に粘膜下腫瘍様の隆起性病変が認められ,生検で悪性黒色腫が疑われた.既往から悪性黒色腫の直腸転移と診断し,当院第一外科で直腸切除術を施行した.悪性黒色腫は消化管転移を起こしやすい事が知られているが,消化管転移に対して積極的に外科的処置が施行され,症状の改善をみたとする報告が多い.しかし,手術例の報告の多くは小腸への転移であり,直腸転移に対し外科的切除を施行した報告は,本邦においてはみられない.

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