日本大腸肛門病学会雑誌
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術後再発をきたした直腸gastrointestinal stromal tumor (GIST)の1例
直腸GISTのリンパ節転移に関する検討を含めて
安達 亙岸本 恭小松 修太田 裕志
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2004 年 57 巻 8 号 p. 450-454

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抄録

直腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)術後のリンパ節再発が疑われた症例を経験したので,直腸GISTのリンパ節転移に関して本邦報告例を検討した.
症例は42歳男性.3年前に直腸GISTに対して経肛門的腫瘍摘出術を施行し,その後残存腫瘍に対して経括約筋的局所切除術を施行した.今回,直腸周囲の腫瘤を指摘され入院した.CT,MRI,EUSにて直腸GISTの傍直腸リンパ節再発と診断し低位前方切除術を施行した.術中所見でも傍直腸リンパ節転移と考えたが,組織学的に腫瘍周囲にリンパ組織を確認できずリンパ節転移と断定することはできなかった.免疫組織化学的にはGIST,smooth muscle typeであった.
文献的に2002年までにリンパ節の検索が行われた直腸GISTの本邦報告例は11例であり非常に少数である.直腸GISTのリンパ節転移や再発形式に関する症例の集積が必要である.

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