日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
57 巻 , 8 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 宇都宮 高賢, 柴田 興彦, 菊田 信一, 濱田 映, 堀地 義広
    2004 年 57 巻 8 号 p. 435-444
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    痔核手術で得られたヒト痔核組織に対し,炭酸ガス(CO2)レーザー,Ne : YAG(ヤグ)レーザー,半導体レーザーにより5W,7Wを5秒間照射しその影響を検索した.CO2レーザーはfocus beamとdefocussed beamで,ヤグレーザーと半導体レーザーでは,内照射と外照射を行い,さらに組織内にインドシアニングリーン(ICGlmg/ml)を注入し,レーザー光を照射した.CO2レーザーは,炭化凝固の少ない良好な創が得られ,ICG注入により深達は阻止された.ヤグレーザーと半導体レーザーの内照射では,CO2レーザーに劣らない創が得られ,外照射ではヤグレーザーは深達度が強いものの,色素依存性がないためICG注入により深達度は低下し,反対に半導体レーザーでは増強した.痔核血管に対するレーザー光の吸収はヤグレーザーが最も強く,半導体レーザー>CO2レーザーで弱かった.痔核手術にレーザーを用いる場合,それぞれの特性を生かした手術方法を考案する必要があると考えられた.
  • 成田 和広, 熊谷 一秀, 清水 浩二, 田中 孝幸, 横山 登
    2004 年 57 巻 8 号 p. 445-449
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は54歳,男性.半年前より体重減少がみられ,便の狭小化も出現,食欲不振,腹満感を主訴に当院消化器科受診.イレウスの診断にて同日入院.直腸に閉塞をともなう全周性の腫瘍をみとめ,人工肛門造設術を施行した.肛門部左側に台状隆起をした腫瘍をみとめ,直腸と肛門部の両腫瘍より生検組織診GroupVが得られた.肝転移,膀胱浸潤,左尿管浸潤もみられた.人工肛門造設22日後,腹会陰式直腸切断術,左尿管・膀胱部分合併切除,尿管端側吻合・ステント留置術を施行した.直腸の腫瘍は膀胱壁に浸潤した中分化腺癌であり,肛門臀部の腫瘍も中分化腺癌がみられ,組織型は同一であった.痔瘻の存在は確認できなかった.直腸病変と連続性はみられないこと,組織型が同一であること,腫瘍の中心が肛門臀部にあること,肛門管上皮に腫瘍がみられないことより,直腸癌の肛門部転移と診断した.本症例は興味深いまれな症例と思われたため報告した.
  • 安達 亙, 岸本 恭, 小松 修, 太田 裕志
    2004 年 57 巻 8 号 p. 450-454
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    直腸Gastrointestinal stromal tumor(GIST)術後のリンパ節再発が疑われた症例を経験したので,直腸GISTのリンパ節転移に関して本邦報告例を検討した.
    症例は42歳男性.3年前に直腸GISTに対して経肛門的腫瘍摘出術を施行し,その後残存腫瘍に対して経括約筋的局所切除術を施行した.今回,直腸周囲の腫瘤を指摘され入院した.CT,MRI,EUSにて直腸GISTの傍直腸リンパ節再発と診断し低位前方切除術を施行した.術中所見でも傍直腸リンパ節転移と考えたが,組織学的に腫瘍周囲にリンパ組織を確認できずリンパ節転移と断定することはできなかった.免疫組織化学的にはGIST,smooth muscle typeであった.
    文献的に2002年までにリンパ節の検索が行われた直腸GISTの本邦報告例は11例であり非常に少数である.直腸GISTのリンパ節転移や再発形式に関する症例の集積が必要である.
  • 小川 仁, 舟山 裕士, 福島 浩平, 柴田 近, 高橋 賢一, 長尾 宗紀, 羽根田 祥, 渡辺 和宏, 工藤 克昌, 佐々木 巌
    2004 年 57 巻 8 号 p. 455-459
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は23歳女性.5年前にスプレー缶の蓋を膣内に留置してしまったが医療機関を受診せず放置し,次第に月経周期に類似した下血と腰痛が出現したため近医を受診した.大腸内視鏡検査で膣内異物と直腸膣瘻を指摘され経肛門的に異物除去術が施行されたが,2カ月後も瘻孔が閉鎖しないため当科を紹介された.初診時2横指大の直腸膣瘻と膣狭窄を認めた.回腸にループ式人工肛門が増設されたが6カ月後も瘻孔は閉鎖せず,根治目的に手術が施行された.瘻孔周辺の直腸と膣は高度の線維化により強固に癒着しており直腸・膣の修復は不可能であったため,再手術により子宮摘出・直腸切除,結腸肛門吻合術が施行された.3年2カ月の間にこれらの手術を含む計6回の手術が行われ直腸膣瘻は根治した.膣内異物による直腸膣瘻はまれな病態であるが,治療に難渋した自験例を若干の文献的考察を加え報告する.
  • 田原 裕之, 黒田 義則, 倉西 文仁, 豊田 和広, 中原 雅浩
    2004 年 57 巻 8 号 p. 460-464
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    今回我々は直腸癌術後残存腫瘍に対する放射線化学療法後,11年を経過して子宮浸潤および仙骨浸潤を来たした放射線誘発と考えられる悪性線維性組織球腫の1例を経験した.症例は65歳女性.平成3年直腸癌に対し腹会陰式直腸切断術後の仙骨前面残存腫瘍に対し術後放射線および化学療法施行.以降は局所再発,遠隔転移なく経過していた.平成14年不正性器出血認め,子宮膣部組織診やMRIにて子宮仙骨浸潤を呈す後腹膜悪性腫瘍を疑われ手術施行.病理診断にてpost-irradiation malignant fibrous histiocytoma(MFH)と診断された.Arlenらの定義によると本症例は放射線二次癌と見なされる.放射線二次癌は高齢者や化学療法併用例において潜伏期間短縮の傾向があるとされる.術後補助化学療法の進歩により長期生存症例が増えれば今後放射線二次癌の頻度が増すことが予想され,術後長期間のフォローアップが必要と考える.
  • 原 敬志, 子野日 政昭, 沼田 昭彦, 加藤 紘之
    2004 年 57 巻 8 号 p. 465-469
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    症例は65歳,女性.排便困難を主訴に受診した.下部直腸から肛門管前壁に3cm大の隆起と潰瘍が併存した病変を認め,生検では低分化腺癌とされた.一方,上部直腸が高度に狭窄し,同部の生検結果はGroup1であった.CTとMRI検査で直腸後壁の腸間膜脂肪層が腫大リンパ節と一塊となり著明に肥厚していた.
    直腸癌の診断にて直腸切断,子宮卵巣腟後壁合併切除術を施行した.病理組織所見では類基底細胞癌が粘膜下を口側に広範囲に進展し,子宮腟浸潤,卵巣転移,3群リンパ節転移を認めた.また下部直腸には高分化腺癌が併存し,衝突癌であった.
    肛門管類基底細胞癌は潰瘍面が小さく粘膜下腫瘍様に口側へ進展し,リンパ節転移の著明な特徴を有する.自験例は早期直腸癌との衝突癌であり,上部直腸が高度に狭窄した複雑な臨床病態を示した.
  • 辻 順行, 辻 大志, 辻 時夫
    2004 年 57 巻 8 号 p. 470-474
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    平成13年12月から平成15年4月までの期間に痔瘻を染色するために作成したネジを痔瘻の二次口より挿入し,原発口の同定と瘻管の染色を試み以下の結果を得た.1).62%の症例で原発口より染色液の漏出を認め,位置の同定が術前に可能であった. 2).瘻管を染色すると病変の識別が術中の視診でも容易となり,必要最小限の切除が可能となった.また括約筋温存術の際中に瘻管に切り込んだ際も,染色液が漏れ出るためにすぐに切除方向の修正が可能となった. 3).原発口が判明しなかった症例に対して頻回にしかも無理に染色液を注入すると,正常な組織も染色され病変部の識別が難しくなり手術が困難となった. 4)染色併用下温存術の再発率は8%,従来の手術では7.7%でほぼ同様な結果であった.しかし肛門の手術に経験の浅い医師やseton法を行う場合には手術前に原発口の同定や瘻管の走行を視診で確認でき非常に有用であると思われた.
  • 中谷 紳
    2004 年 57 巻 8 号 p. 475-477
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
  • 2004 年 57 巻 8 号 p. 478-482
    発行日: 2004年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
feedback
Top