日本大腸肛門病学会雑誌
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切開剥離法により一括切除し得たnon-lifting sign陽性大腸LSTの1例
壁島 康郎影山 隆久
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2005 年 58 巻 7 号 p. 388-391

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抄録

症例は67歳,女性.子宮頸癌のため当院入院となった.術前検査として大腸内視鏡検査が施行され,横行結腸の半月ひだ上に径20mm大の側方発育型腫瘍(LST)を認めた.腺腫と診断しStrip biopsy法による粘膜切除術を試みたが,non-lifting sign陽性かつ半月ひだ上という占居部位形態のためsnaringは困難であり生検のみ施行した.病理診断は高度異型腺腫であり完全摘除が必要と判断し十分な説明と同意のもと,切開剥離法(ESD)による一括切除を施行した.所要時間は32分であった.病理組織診断は高度異型腺腫,切除断端はいずれも陰性との正確な診断が可能であった.治療に関連する合併症は認めなかった.内視鏡的摘除適応病変にかかわらずnon-liftingsign陽性などのために,通常EMRが困難な大腸腫瘍性病変に対しても,ESDは一括完全摘除を可能とする有用な一選択肢と考えられた.

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