抄録
左冠動脈主幹部(LMT)を含む多枝病変に対する心拍動下冠動脈バイパスグラフト移植術(OPCABG)の再(re-do)手術において,左側開胸アプローチにて大伏在静脈グラフト(SVG)の中枢側吻合を旧SVG におくという非定型的な選択を行った.症例は狭心症として,繰り返し経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が施行されている血液透析患者.他院で3 枝病変としてOPCABG が施行されたが,左冠動脈前下行枝(LAD)の著明な石灰化のため,大伏在静脈グラフトによる左回旋枝(LCX)#14 および右冠動脈(RCA)#4PD へのバイパスのみが施行された.今回,当科にて再手術をするにあたり,患者背景や初回手術後間もないことを念頭に,開胸アプローチおよびグラフト,中枢側吻合の方法を検討した結果,前述のようなアプローチでLADおよび#12 へのバイパスを行った.術後の冠動脈CT において,グラフトの開存性は良好であった.