2023 年 19 巻 2 号 p. 58-63
本稿ではサーキュラーエコノミー(CE)化の進展を図る評価手法であるサーキュラリティ評価に関して、現在の議論を概説した。CE 化が枯渇性資源の利用量削減効果をもたらすであろうことを前提にすれば、昨今よく話題に上るクリティカルメタル等の使用量もまた減少することが考えられる。そこで、サーキュラリティとクリティカリティの関係についても整理を行った。その結果、CE 化の進展、すなわちサーキュラリティの向上がクリティカリティの削減に必ずしも繋がるとは限らないこと、またサーキュラリティ評価の一部にクリティカリティ評価を入れるまでは現状では拙速であることなどを示した。他方で、クリティカルメタルの利用量の変化をサーキュラリティ評価に用いるような事例があることや、少なくともクリティカリティの変化の理解のためにはサーキュラリティは有用であることなどを示した。