日本冠疾患学会雑誌
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原著
経皮的冠動脈形成術後の負荷心筋血流イメージング検査
岡田 好加藤 貴雄廣瀬 紗也子長澤 吉則沼尾 成晴猪子 森明
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2015 年 21 巻 1 号 p. 20-27

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抄録
【目的】本研究では,経皮的冠動脈疾患形成術(PCI)前後の負荷心筋血流イメージングにおける,心筋虚血の改善とイベント発生,血行再建の特徴について検討した.【方法】2008 年から5 年間で,PCI の前後(3~30 カ月)に検査を行っている,冠動脈造影上に75%以上の狭窄を有する安定狭心症患者111人を対象とし後ろ向きに解析した.【結果】遠隔期検査は,平均313 日後に行われていた.遠隔期の虚血改善を認めたが,主要心血管イベントには遠隔期の誘発虚血量が,再血行再建には遠隔期の誘発虚血量とHDL コレステロール値が関係していた.再血行再建は,40.6%が初回治療部位,37.5%が初回治療以外の部位,21.8%がその両方の部位に対して行われていた.【結論】治療後の負荷心筋血流イメージング検査での誘発虚血は,初回治療部位の残存病変の進行や新規病変も寄与しており,心血管イベントや再血行再建と関連を認め,検査の有用性が示唆された.
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© 2015 日本冠疾患学会
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