抄録
2型糖尿病にてインスリン使用中の50 歳代の男性.2004年に急性心筋梗塞(AMI),#6:100%の一枝病変でありベアメタルステント(BMS)留置.確認造影にてステント再狭窄(ISR)なし.2010年にAMI,#3:100%,#14:90%の二枝病変であり,#3にBMS留置.後日#14に薬剤溶出性ステント(DES)留置.2011年の確認造影にて#3と#14のISRはなかったが,#1:75%,#6:90%,#11:75%と病変の進行を認め三枝病変であった.心筋血流予備量比(FFR)にて機能的二枝病変であったため,#6~7にDES,#1にBMS留置を行った.2012年の確認造影にて#1のISR は認めなかったが,#7にISR,#4と#11に病変の進行を認め,FFRにおいても機能的三枝病変であり,冠動脈バイパス術(CABG)を施行した.今回CABGのタイミングに迷った症例を経験したので報告する.