材料と環境
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論文
Ni電極表面におけるNi水酸化物膜の生成
兒玉 歩池田 寛子中瀬 智穂増田 尊子北原 惠一荒井 貞夫小沼 良雄林 宏爾山下 順三會川 義寛
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2006 年 55 巻 12 号 p. 544-548

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抄録
アノード電位ステップ応答電流を解析することにより, Ni電極表面の酸化膜の形成機構を検討できることを示した.
過渡電流は式i(t)=i0[1+(t/τ)]-1/2で表され, その1/i2 vs. tプロットから各電極電位φにおける時定数τが求まった. この時定数τおよびi02τ vs. φプロットから, 形成酸化膜の厚さと, 膜内イオンの総合移動度が得られた. 各プロットはいずれもよい直線をなし, 本解析法の妥当性を示した.
Ni電極表面には, 電極電位φがφc=0.02 V vs. SCEよりアノード側にシフトすると酸化膜が形成されはじめ, その厚さは0.2~0.4 V vs. SCEの範囲において約1.3 nmになることがわかった. また, この膜内イオンの総合移動度はμ=9.9×10-20m2V-1s-1であった.
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© 2006 公益社団法人 腐食防食学会
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