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論文
耐熱光ファイバ AE センサを用いた円管の高温損傷モニタリング
早野 智晴松尾 卓摩長 秀雄竹本 幹男
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2007 年 56 巻 12 号 p. 560-567

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抄録

高温部材からのアコースティック・エミッション (AE) をモニターする目的のため,耐熱光ファイバ AE センサとホモダイン・マッハツェンダー型レーザ干渉計を開発した.銅でコーティングされた光ファイバは耐熱センサとして使用でき,高温パイプのAEを600℃で108 ksまでモニターした.光ファイバセンサは,パイプの外周に巻きつけることによって,通常のPZTセンサはモニターできない円筒波のL(0,1) モード波を効率よく検出できることが分かった.このシステムをタイプ304ステンレス鋼管の加速酸化によって生成する非保護性スケールの破壊やはく離によるAEの検出に使用した.検出された円筒波AEは,2種類のモードI型破壊,すなわち円周方向に開口ベクトルを持つ割れ (スケール破壊) と,半径方向にベクトルをもつはく離に分類した.冷却中に検出された膨大な数のAEは,スケールの破壊によるAEであることが分かった.これらの音源位置は円筒波の80 kHzにおけるL(0,2) とF(1,1) モードの到達時間差を用いて標定され,スケールのある領域に存在することが分かった.

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© 2007 公益社団法人 腐食防食学会
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