高レベル放射性廃棄物処分におけるチタンオーバーパックの長期水素吸収挙動と水素脆化の可能性を検討した.定電流カソード分極試験結果より,電気量が同じ場合,電流密度が低いほど多くの水素が吸収されるとともに、より内部まで水素が侵入した.水素を吸収したチタンの機械的特性試験結果から,水素がチタン内部まで均一に分布したものが最も脆化の程度が大きくなった.低酸素濃度条件での水素吸収量は1000年間で約400 ppmと評価され,均一な水素濃度分布を仮定すると6 mm厚のチタンオーバーパックにおいて,破壊が生じうるのは降伏応力相当の応力条件に対して亀裂寸法が約2~3 mm以上の場合と推定された.