抄録
電機制御装置が設置されている腐食環境を調査することを目的に,温湿度,水晶振動子微量天秤法による銀および銅の腐食速度を計測と共に,イオンマイグレーションセンサにより絶縁抵抗を連続的にモニタリングした.この環境では,銅の腐食速度に比較して銀の腐食速度の方が大きかった.JIS C 0116やISA-S 71.04に基づく設置環境の厳しさの分類からは,制御装置は比較的厳しくない環境に設置されていると見なすことができる.しかし,最高相対湿度が62%,測定期間中の絶縁抵抗が1010 Ω以上である環境においても,塵埃を付着させた場合はマイグレーションが発生した.