抄録
液滴衝突エロージョンを受ける実用装置材料の損傷推算式や寿命予測式を得るには,液滴の攻撃条件がよく分かっている試験から,材料の性能評価を行う必要がある.ウォータージェット法試験装置を用いて,前報ではアルミニウム試験片に貼られたアルミ箔を用いて試験装置の各操作条件における液滴の攻撃条件を求めた.また,材料の損傷量推算のための基礎式を提案した.本報では実用的な材料として汎用炭素鋼,ステンレス鋼,炭素工具鋼を用いてエロージョン試験を行い,エロージョン挙動に及ぼす攻撃因子としての液滴速度,頻度,液滴径,および材料の機械的性質の影響を明らかにした.結果として,具体的なエロージョン量推算式を誘導し,妥当性を確認した.また,寿命予測法についてもエロージョン挙動の中で重要な因子の1つである潜伏期間とともに誘導した.