Zairyo-to-Kankyo
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解説
超低加速・高分解能FE-SEMの腐食研究への応用 (1)
― 高分解能 SEM 観察に適した試料表面前処理方法 ―
清水 健一
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2010 年 59 巻 7 号 p. 245-250

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抄録

超低加速・高分解能FE-SEMを腐食研究に有効に活用するためには,清浄で,平滑で,しかも損傷のない表面を持つ試料が必要である.そうでなければ腐食に伴うわずかな表面の形状,組成,および組織の変化を高分解能で明確に観察できないからである.ここでは最新のFE-SEMに見合った新たな試料表面の処理法について紹介する.この方法の鍵となるのは機械研磨により鏡面仕上げした表面に残る汚染や薄い損傷層を高周波グロー放電スパッタリングにより迅速に,しかも新たに表面を汚染したり,新たな損傷層を形成したり,さらに新たな変質層などを形成することなく除去することである.これは導電性および非導電性試料の表面をエネルギーが非常に低いArイオン (<50 eV) で迅速にスパッタできる高周波グロー放電スパッタリングのユニークなスパッタ特性を機械研磨した試料表面の最終仕上げに利用する全く新規な手法である.

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© 2010 公益社団法人 腐食防食学会
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