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速報論文特集-材料と環境2011
高強度鋼の淡水中におけるアノード分極下の遅れ破壊の損傷事例
吉江 謙三小野田 武士
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2011 年 60 巻 11 号 p. 479-482

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抄録

高硬度材料の高圧合成に使用する高圧発生装置の中炭素 4.5%Cr 冷間工具鋼(引張強さ 2100 MPa)製耐圧部品が,水中で 3 V のアノード分極された状態で使用され,運転後すみやかに破損に至った.高強度鋼を水中でアノード分極すると破断時間が短くなる SCC のような遅れ破壊現象が過去報告されている.水中で遅れ破壊再現試験を実施し,アノード分極により破壊が促進されることを確認した.対策として当該部品が水に接触する部分をプラスチックフィルムで被覆する方法を提案し,再発を防止した.

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© 2011 公益社団法人 腐食防食学会
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