2011 年 60 巻 11 号 p. 483-486
微生物の代謝作用により排水を浄化する活性汚泥設備のステンレス鋼に生じた腐食の原因を微生物分析,電気化学測定により調べた.好気性細菌は,腐食が生じた溶接部から多く検出された.また,自然浸漬電位(Eoc)の貴化も認められた.実験室試験で腐食すきま再不動態化電位(ER,CREV)を求めたところ,Eoc>ER,CREVの関係が成立した.腐食の原因は, ステンレス鋼に付着した微生物による電位の上昇,バイオフィルムなどの付着による隙間形成による微生物腐食と推定された.