硫化ナトリウム溶液を用いて作成した硫黄を含む雰囲気中に銅板を最長180日間曝露した.銅板上に生成した皮膜を定性的に分析するために,カソード還元法を用いた.皮膜の厚さおよび構成成分を断面観察およびEPMA分析により調べた.カソード還元曲線より,皮膜は主としてCuO,Cu2O,Cu2Sから成ることが分かった.1 wt%Na2S溶液を用いて作成した硫黄環境下に曝露した銅板の皮膜厚さは曝露期間の増加とともに厚くなり,180日後には約40 μmになった.硫化物と酸化物とから成る層状皮膜がEPMA分析により確認された.