材料と環境
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解説
水素を経て使える燃料の形での再生可能エネルギーの利用
橋本 功二熊谷 直和泉屋 宏一高野 裕之加藤 善大
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2012 年 61 巻 8 号 p. 305-313

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抄録
1990年から2008年の世界のエネルギー消費量を外挿すると,石油,天然ガス,ウラン,石炭の世界の資源はそれぞれ2040年,2046年,2048年および2054年までに使い尽くされてしまう.世界中の人々が生き続けるためには,再生可能エネルギーから造られる断続・変動する電力を,使うことが出来る燃料の形で世界中の人々に供給する必要がある.筆者らは,再生可能エネルギー起源の電力を用い,電解で水素を生成し,二酸化炭素と反応させ,メタンの形で供給するグローバル二酸化炭素リサイクルを提案して来た.このために,海水電解による水素製造のための省エネルギーカソードおよび塩素を発生せず酸素のみを発生するアノード,ならびに二酸化炭素のメタン化のための触媒を創り,産業規模のパイロットプラントを造って来た.本稿では最近の進歩や知見を記述した.この産業化が進んでいる.
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© 2012 公益社団法人 腐食防食学会
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