Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
Print ISSN : 0917-0480
ISSN-L : 0917-0480
61 巻, 8 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
展望
解説
  • 橋本 功二, 熊谷 直和, 泉屋 宏一, 高野 裕之, 加藤 善大
    2012 年 61 巻 8 号 p. 305-313
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2013/02/08
    ジャーナル フリー
    1990年から2008年の世界のエネルギー消費量を外挿すると,石油,天然ガス,ウラン,石炭の世界の資源はそれぞれ2040年,2046年,2048年および2054年までに使い尽くされてしまう.世界中の人々が生き続けるためには,再生可能エネルギーから造られる断続・変動する電力を,使うことが出来る燃料の形で世界中の人々に供給する必要がある.筆者らは,再生可能エネルギー起源の電力を用い,電解で水素を生成し,二酸化炭素と反応させ,メタンの形で供給するグローバル二酸化炭素リサイクルを提案して来た.このために,海水電解による水素製造のための省エネルギーカソードおよび塩素を発生せず酸素のみを発生するアノード,ならびに二酸化炭素のメタン化のための触媒を創り,産業規模のパイロットプラントを造って来た.本稿では最近の進歩や知見を記述した.この産業化が進んでいる.
論文
  • 藤原 和俊, 堂前 雅史
    2012 年 61 巻 8 号 p. 327-334
    発行日: 2012/08/15
    公開日: 2013/02/08
    ジャーナル フリー
    一部の加圧水型軽水炉(PWR)の2次系統では,系統材料の腐食抑制を図るため,アンモニア(NH3)およびエタノールアミン(ETA)濃度を高める高pH運転が行われている.国内PWRでは,系統構成機器及び部材の一部に銅系材料が使用されているため,高pH運転条件での,これら銅系材料の腐食挙動を把握する必要がある.本報では高pH運転での復水系統,高圧給水系統および主蒸気系統を模擬したアンモニアおよびエタノールアミン溶液での銅系材料の腐食挙動を評価すると共に,引張試験により材料健全性を確認した.
    銅系材料の腐食挙動はエタノールアミン溶液中とアンモニア溶液中でほぼ同等であり,溶存酸素を含む70℃の条件では,主に酸化物形成を伴う腐食が生じ,溶存酸素を含まない220℃および280℃の条件では,添加元素の選択溶解による腐食を生じた.また,銅系材料の腐食速度は,Pb含有率の増加とともに増加した.銅系材料の腐食は各材料の引張特性に影響を及ぼさない.但し,浸漬温度条件によっては,一部の材料で熱の影響により軟化,あるいは脆化する.
feedback
Top