抄録
福井県の海岸部,平野部,山間部の3地点にて,炭素鋼の暴露試験およびACMセンサを用いた腐食性因子の調査を実施した.平野部における炭素鋼の年間腐食速度は0.022 mm/y,月ごとの飛来海塩粒子量Sの年間平均値は8.2 mgNaCl/(m2d),ぬれ時間(TOW)は年間3900 hであった.本県の環境腐食性は,国内にて中程度であると考えられた.毎月の腐食速度は,11~1月に高く,2~7月に低くなる季節変動を示し,ACM(Fe-Ag)センサの海塩相当付着量Wsおよび日平均電気量Qdewとの間に相関関係が確認された.