抄録
シリカと塩化物イオンを含む人工淡水中に浸漬した銅板上に形成される皮膜をFT-IR,SEM,EPMA,カソード還元により調査した.シリカを含まない20 ppmCl-溶液中に浸漬した銅板上に形成されたスケールは主としてCu2Oからなり,その形状はファセット面を持つ角張ったものであった.一方,シリカを含む溶液中で形成されるスケールは粒状をしており,浸漬日数が増加するにつれてその大きさ,数ともに増大し,銅板上に凝集・堆積する.FT-IRにより,その成分はシロキサン結合を含むケイ素の酸化物であることが明らかとなった.