抄録
チタンは沸騰硝酸中で腐食することが知られているが,沸騰硝酸中でのチタンの腐食機構,特に還元反応に関しての知見は少ない.そこで硝酸溶液中におけるチタン上での還元反応に注目し,硝酸溶液中に存在するイオン(H+,NO3-,HNO2)濃度を変化させた硝酸溶液中でチタンのカソード分極曲線を測定し,各種イオンの反応次数やターフェル勾配からチタン上での硝酸の還元反応機構について検討した.チタン上における硝酸の還元機構には,チタンの酸化皮膜の還元が関与していると考えられ,以下の反応機構を提案した.
NO3- ⇄ NO3ad- (QE)
TiO2 + H+ + e- ⇄ TiOOH (QE)
NO3ad- + TiOOH → (NO3- -TiOOH)ad (RDS)
(NO3- - TiOOH)ad + H+ + e- → NO2ad- + TiO2 + H2O