高温化学で用いる多元系に対する一般化された化学ポテンシャル図は異種材料間界面を含む種々の材料挙動を吟味する上で貴重な情報を提供する.この方法をプールベ(Pourbaix)線図を使って解析される室温化学に直接適用することはできないが,高温化学と室温化学との違いを生じさせている核形成・拡散などの速度論的過程に対する考察を導入することで,固液平衡が取り扱えるようになるということがキーポイントである.多元系プールベ線図を構築する新たな戦略を提示し,相合(congruent)溶解過程の重要性を示す.リチウム電池などの電気化学的過程への応用を興味深い一例として示す.