日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第50回 日本医真菌学会総会
セッションID: P29
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ポスター(括弧内番号はセレクテッド・シンポジウム発表を示す)
尋常性乾癬に併発した体部白癬の2例
*澤田 美月石崎 純子伊藤 治夫原田 敬之
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キーワード: 尋常性乾癬, 体部白癬
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抄録

症例1:49歳,男.17歳時尋常性乾癬と診断され,以後ステロイド外用療法を受けていた.初診の2週間前より,乾癬と異なる皮疹に気付き,ステロイド外用剤にて改善しないため近医より紹介初診となる.初診時現症:躯幹,四肢に類円形の角化を伴う落屑性紅斑が散在,多発する.腋窩,側腹部,臍周囲,股部では角化,潮紅の目立たない粃糠様の落屑性紅斑を認める.各所の皮膚鱗屑の鏡検にて菌糸を証明し,培養にてTrichophyton rubrumを検出した.病理組織学的にも角層内に菌糸を認めた.足白癬,爪白癬の合併も認められた.治療経過:ステロイド外用剤を中止し,テルビナフィン内服療法を開始し皮疹の軽快を認めた.白癬改善後もビタミンD3外用剤のみで乾癬のコントロールは良好となった.症例2:33歳,男.15歳時より尋常性乾癬の診断にて近医で加療を受けていた.ステロイド外用剤,シクロスポリン内服にても皮疹のコントロール不良のため紹介初診となる.当科での治療継続中,頚部に環状の落屑性紅斑が出現した.鏡検にて菌糸を認め,培養にてTrichophyton rubrumの発育を認めた.テルビナフィン内服療法を開始し経過観察中.広範囲な尋常性乾癬において,ときに体部白癬を見逃すことがあるため注意を要する.

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© 2006 日本医真菌学会
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