Zairyo-to-Kankyo
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論文
難燃性マグネシウム合金溶接部の応力腐食割れに対するショットピーニング処理の影響
藤巻 康人小金井 誠司小林 祐次辻 俊哉神 雅彦基 昭夫
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2014 年 63 巻 8 号 p. 463-467

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抄録

マグネシウム合金溶接部の応力腐食割れの低減を目的として,溶接構造物に用いられる難燃性マグネシウム合金(AMX602)展伸材から,基材試験片,溶接試験片および溶接部にショットピーニング処理を施した試験片を作製した.それぞれの試験片に対し,破断時の80%角度となる負荷を掛け,湿度100%における400時間の腐食試験を行った結果,以下のことが明らかとなった.
(1)基材試験片では孔食主体の腐食が進行し,応力腐食割れは発生しなかった.(2)溶接試験片は約200時間で応力腐食割れが発生した.(3)溶接試験片は基材試験片に比べて0.2%曲げ耐力が12%ほど低下していた.(4)圧縮残留応力が約100 μmの深さまで付与されるショットピーニング処理により,応力腐食割れが抑制される効果が認められた.このときの0.2%曲げ耐力は,基材試験片と同等か上回る程度であった.

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© 2014 公益社団法人 腐食防食学会
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