抄録
天然ガス開発おいて油井管材料として使用される13%Cr鋼およびModified 13Crマルテンサイトステンレス鋼のCO2腐食に及ぼす酢酸および微量H2Sの影響を40℃と180℃の環境で評価した.40℃のCO2 2 MPa,Cl- 20,000 ppmの腐食環境において13%Cr鋼に発生する孔食は,微量H2Sの添加により生成される硫化鉄により抑制された.また,180℃の環境では酢酸の存在により,腐食が加速された.一方,Modified 13Cr鋼は40℃においてH2S分圧0.001 MPaのみでは腐食は発生しなかったが.酢酸の共存により孔食が発生し,180℃の環境においても酢酸とH2Sの共存により腐食が加速した.以上のことから,CO2腐食環境における微量H2S存在下の酢酸の効果は,1)pHの低下,2)Fe2+の溶解度の上昇,3)不動態皮膜劣化であると考えられる.