抄録
港湾構造物は永久とは考えられず,補強や防食など多くのオプションによって維持される.2章では,劣化構造物のLCMの評価にPW法を適用した.
カムサール港では,建設,補修,閉鎖,撤去コストがPW算出に用いられた.3章では,鉱石輸出コストと滞船料から求めた閉鎖コスト算出の詳細を示し,メンテナンスコスト/トータルコスト比とPW法の関係を検討した.
新設備計画の段階の市民への便益を正確に推定することは難しいため,普通,公共プロジェクトにはPW法の代わりにB/C比法が用いられる.しかしながら,建設することが決定した後の建設段階(建設,メンテナンス,撤去よりなる)の全てのキャッシュフローが定量化されるならば,公共,民間のプロジェクトのLCMにPW法が適用される.4章では,B/C比法の適用例とPW法の港湾構造物のLCMへの適用性を示した.