Zairyo-to-Kankyo
Online ISSN : 1881-9664
Print ISSN : 0917-0480
ISSN-L : 0917-0480
第61回材料と環境討論会 速報論文特集
NaCl溶液中における純アルミニウム1050とCFRPとのガルバニック腐食挙動
境 昌宏坂本 千波
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 64 巻 6 号 p. 224-227

詳細
抄録

炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と純アルミニウム1050とが接することで生じるガルバニック腐食について電気化学的測定により調査した.1050とCFRP積層板との間を流れるガルバニック電流を無抵抗電流計により7日間室温下で測定した.試験期間中,CFRPから1050へ流れたガルバニック電流は約2500~3500 μA/cm2であった.CFRPと短絡していない1050のガルバニック試験後の重量減がほぼゼロであるのに対し,CFRPと短絡した1050の重量減は207 mg/cm2であった.1050をCFRPプリプレグとじかに接触させて84日間3.5 wt% NaCl溶液中に浸漬したときの重量減は,1050どうしを接触させて浸漬したときの約60倍となった.これらの結果より,NaCl溶液中で1050がCFRPと接触すると1050の腐食が加速されることが明らかとなった

著者関連情報
© 2015 公益社団法人 腐食防食学会
前の記事 次の記事
feedback
Top