抄録
回路基板を筐体ケース内に設置し,シリコーンでシールした構造の筐体構造電子部品において,加速性の高い腐食試験方法について研究した.銀配線を形成した回路基板を,シリコーン接着剤でシールした筐体内部に設置しSO2,H2S,S8試験を行った.SO2試験は3300ppm/40℃/100%RH,H2S試験は60ppm/40℃/100%RHとし,S8試験は4ppm/90℃/<10%RHとした.銀の観察および元素分析の結果,S8試験が加速性の高い評価方法であることが分かった.加速性の高さは腐食性ガスによる腐食性に加え,腐食性ガスのシリコーン高透過性による相乗効果と推定される.