2017 年 66 巻 4 号 p. 152-155
不動態化Fe上に吸着したカルボン酸イオン自己組織化膜の化学修飾によって作製した超薄二次元重合体保護皮膜の,不動態皮膜破壊までの時間tbdと腐食防止率Pを大気開放0.5 M NaCl中で測定した.tbdの値は1.7 hと短く,この高分子皮膜で覆いさらに0.1 M NaNO3中で補修処理した不動態化Fe電極のtbd値は4.1 hであった.これらの皮膜のPはtbd以前においては約99.9%と非常に高く,不動態皮膜が破壊されない限りFe腐食を完全に防止することを示した.金属および酸化された金属上に吸着した3種類の自己組織化膜の化学修飾で作製した保護皮膜のPについて,酸素を含む0.5 M中性溶液中の浸漬短時間と長時間において互いに比較した.