2018 年 67 巻 3 号 p. 103-108
走査型振動電極法(SVET)は,金属電極近傍の腐食電流密度分布を測定するために適用される.本稿では,SVETの基本的な性能およびその応用例について解説する.システムの検出感度や分解能が,試験片-センサ電極間距離,h,振動頻度,f,および試験液の導電率,κ,などの測定条件に影響されるので,それらの条件は,測定対象,腐食速度,アノード/カソード位置などを考慮して決定されなければならない.しかしながら,最近では,画像処理技術や微小信号検出技術の開発が進んでおり,腐食測定に有益な道具として確立されるであろう.