Zairyo-to-Kankyo
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67 巻, 3 号
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展望
解説特集 腐食電気化学測定法講座
論文 -材料と環境2017 講演大会論文-
  • 大木 翔太, 峯田 真悟, 水沼 守, 東 康弘, 加々見 修
    2018 年 67 巻 3 号 p. 118-120
    発行日: 2018/03/15
    公開日: 2018/09/27
    ジャーナル フリー

    土壌腐食は多くの環境因子が複雑に関わり進行する反応であり,環境因子が腐食速度に及ぼす影響はいまだ明らかでない.本研究では,土壌腐食の支配的な環境因子と考えられる土壌粒子径と土壌含水率に着目し,腐食速度に及ぼす影響を調査した.粒子径の細かい土壌(細粒)および粗い土壌(粗粒)を用意し,それぞれに埋設した鋼の腐食速度を交流インピーダンス法で測定した.その結果,粗粒と比べ細粒のほうがより低い土壌含水率において腐食速度が最大値を示した.鋼表面を覆う水中の溶存酸素の拡散距離と濡れ面積の兼ね合いによって最大値を示す土壌含水率は決まるが,細粒のほうがより低い土壌含水率においても濡れ面積が確保され,かつ薄い水膜が保持されているためだと考えられる.

技術資料
論文
  • 宮坂 松甫
    2018 年 67 巻 3 号 p. 127-131
    発行日: 2018/03/15
    公開日: 2018/09/27
    ジャーナル フリー

    海水中において鉄の腐食は流速の上昇とともに増大するが,流速分布が存在する場合,流速差によるマクロセルが形成され,低流速部の腐食が助長され,高流速部の腐食が抑制されることによって,前者が後者を上まわる場合がある.この現象は流速差腐食と呼ばれ,通気差腐食(酸素濃淡電池腐食)の一形態であると考えられる.著者は,内部アノード分極曲線の流速依存性を検討することによって流速差腐食機構を考察した.海水中において流速と電位を変えて鋳鉄の腐食実験を行い,腐食速度から内部アノード分極曲線を導いた.内部アノード分極曲線は流速の上昇とともに貴側へ(低電流密度側へ)移動することを確かめ,これまで鋳鉄・鋼など鉄系材料の通気差腐食および流速差腐食を説明するために提案されていた仮説を実証した.

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