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第64回材料と環境討論会 講演大会論文
電気抵抗法を用いた耐候性鋼の腐食挙動の評価
面田 真孝水野 大輔三浦 進一石川 信行
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2018 年 67 巻 7 号 p. 292-297

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抄録

耐候性鋼製の鋼構造物を保守・管理していく上で,日々変化する腐食環境と各種耐候性鋼の腐食挙動の関係を把握することが重要となる.これには,腐食量の経時変化を詳細に計測可能な腐食モニタリングする技術が有効である.本研究において,電気抵抗法を用いた腐食センサに耐候性鋼を使用し,大気腐食試験環境を模擬した耐食性試験法ISO16539B法と大気暴露環境で腐食モニタリングを行った.ラボ試験,大気暴露試験ともにμm単位で各種耐候性鋼の腐食挙動差を明確に計測できた.一方で,大気暴露環境において,高塩分環境では,センサ部に局所的な腐食が発生し,凹凸が大きくなることに起因した部分的な抵抗値の上昇により,出力される量が実際の腐食量よりも大きくなることを発見し,センサの適用可能環境を飛来塩分量1 mdd以下と明確化した.このように,電気抵抗法を用いることで,各種耐候性鋼の腐食挙動の差を計測でき,さらには,腐食環境との比較により,各種耐候性鋼が効果を発揮する環境条件を明確化できる可能性を見出した.

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© 2018 公益社団法人 腐食防食学会
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