2021 年 70 巻 6 号 p. 183-186
ITOとAlがH3PO4溶液中で短絡した場合のITOの還元的腐食挙動を電気化学試験によって調査した.ITOはH3PO4溶液中でAlと短絡した場合と-0.7 V vs. SCE以下に分極された場合に還元されてInとSnが生成した.これを抑制するためにHNO3を添加した結果,硝酸イオンの還元が優先することで,ITOの還元は抑制された.またITOはH3PO4溶液中でアノード分極しても溶解しないが,還元後にアノード分極すると溶解するため,所定のITO層を電解研磨する方法としても応用できる可能性が示された.