材料と環境
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論文 -第69回材料と環境討論会 講演大会論文-
チタン被覆海洋鋼構造物の暴露耐久性調査結果報告
木下 和宏上仲 秀哉屋敷 貴司枩倉 功和小溝 裕一
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2023 年 72 巻 6 号 p. 190-197

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抄録

海洋環境における鋼構造物において,海水や海塩粒子による鋼材の腐食の問題は非常に重要な問題で,この腐食によって構造物そのものの寿命が決まると言っても過言ではない.そこで,海水に対して優れた耐食性を有するチタンを本体の鋼材に被覆することで,この構造物全体の耐久性を大幅に向上させた海洋構造物が建設されている.一方,チタンの海水に対する耐食性は実験室レベルでは確認されているが,実海域で長期にわたる暴露による確認試験は殆ど報告されていない.そこで,(国研)土木研究所が,1984年に開始した「高耐食性金属被覆防食法等の海洋暴露確認試験」に,構造体として特殊部位となる隙間部及び溶接部を有するチタン被覆鋼管試験体を製作し,耐久性確認試験を行った.

この約30年の暴露試験の結果,チタンそれ自体だけでなく,隙間部や溶接部といった特殊部位においてもその健全性が確認された.

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© 2023 公益社団法人 腐食防食学会
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