白金(Pt)めっき厚さ(0,0.1,0.2,0.5μm)の異なるTi繊維体について,PEMWE用PTLとしての各種特性(機械特性,耐食性,接触抵抗,初期i-V特性)を評価した.セパレータ/PTLのセル内での締付け状況を模擬した機械特性評価の結果から,Ti繊維体の厚さ方向の寸法安定性は,カソード側PTLとして一般に使用されるカーボンペーパーと比較して2倍程度高いことが示された.Ti繊維体をアノード側のPTLとして組み込んだ水電解単セルによる初期i-V特性は,Ptめっきにより改善され,Ptめっき厚さが0.2μm以上でその効果は顕著であった.PEMWE模擬環境中において定電位分極した時の酸素発生電流の測定と接触抵抗の測定結果から,i-V特性の改善は,セパレータとの接触抵抗の低下だけでなく,Ptめっき上で酸素発生が起こることによる,電解移動抵抗の低下も要因となっていることが示唆された.