2004 年 53 巻 2 号 p. 83-87
4%Ni-23%Cr-0.3%Mo-0.2%N-0~2%Cuの二相ステンレス鋼の塩化物水溶液中における耐食性を検討した. Cuの添加は, 孔食電位に対しては影響しなかったものの, すき間腐食電位とすき間再不動態化電位を改善した. 沸騰25%NaCl水溶液中の孔食発生は, リン酸添加の場合にはCuにより抑制され, 重クロム酸塩添加の場合には影響されなかった. Cuの添加は, 低pH水溶液中での脱不動態化の抑制に有効であったが, 不動態保持電流および臨界不動態化電流を増加させるという悪影響も明らかとなった.