材料と環境
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海水環境における各種金属粉末を混合したセメントによる鋼の防食方法
稲木 倫道永井 崇昭宮田 義一朝倉 祝治
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キーワード: , 亜鉛, セメント, 防食, 水線腐食
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2004 年 53 巻 3 号 p. 130-135

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抄録
海水中における鋼材の水線腐食を防止するために, 各種金属粒子を混合したセメントを鋼に塗布する防食方法を検討した. 種類および粒径の異なる金属粒子をセメントに混合して鋼に塗布し, これを3 mass%塩化ナトリウム水溶液中に浸漬した. 電位測定及び表面観察から鋼の防食が可能となる条件を見い出した. アルミニウムまたはマグネシウム粉末を混合したセメントを塗布した場合, 電位は-400mV vs. SHEで鋼は腐食した. セメントに亜鉛粉末を50 mass%以上混合すると腐食は起こらず, 電位は-700mV vs. SHEより卑な値に保たれた. この値は電位-pH平衡図上において, 鉄単体または酸化鉄 (II) 二鉄 (III) が安定な領域にあった. また亜鉛粒子の粒径が大きいほど, 電位を卑に保つためには高い亜鉛含有率が必要であった. 亜鉛粉末を67 mass%以上混合したセメントを, 鋼の片面のみに塗布すると, 電位を-750mV vs. SHEより卑に60日間保つことができた. この時セメントを塗布していない面は防食され, セメントを塗布していない面まで防食効果が及ぶことがわかった. 以上より亜鉛粉末を67 mass%以上混合したセメントを海洋鋼構造物の水線部分に塗布すれば, 水線腐食の防止に有効であると考えられる.
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© 社団法人腐食防食協会
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