Zairyo-to-Kankyo
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海浜環境における電気防食用塗装鋼板の腐食抑制効果
山崎 隆生西方 篤水流 徹
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2004 年 53 巻 7 号 p. 366-371

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抄録

我々は新しく開発した塗装系-これは鋼材の上に絶縁層, 導電層, 上塗り層で構成されている-を用い, 大気中の鋼材のカソード防食を試みてきた.
工業環境兼海浜環境の曝露を日本の千葉県で行った. 電圧を印加した欠陥の赤錆発生面積比率は, 電圧を印加しない欠陥よりも小さかった. 曝露開始2週間後, 炭酸マグネシウムを含有する白色析出物によって欠陥が被覆され, カソード電流が減少した. 白色電解析出皮膜は欠陥の耐食性を高めると考えられる. 欠陥に形成された電解質液膜及び白色析出皮膜を均質で連続した抵抗薄膜とみなすことにより, 測定された欠陥のカソード電流は, 分布定数型モデルに従うことを示した. このモデルによると, 我々の開発している新しい塗装系は腐食環境が厳しいほど欠陥の耐食性が高くなる.

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© 社団法人腐食防食協会
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