材料と環境
Online ISSN : 1881-9664
Print ISSN : 0917-0480
ISSN-L : 0917-0480
給湯器用熱交換器銅管に発生する孔食事例とその対策
鈴木 忍山田 豊河野 浩三渥美 哲郎
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 54 巻 1 号 p. 20-24

詳細
抄録
地下水使用環境下の給湯器用熱交換器銅管に一過式の給水・給湯用軟質銅配管で経験するI'型孔食が同様に発生した. 腐食事例調査において, 給湯器用熱交換器銅管のI'型孔食は, 常に冷水状態が維持され, かつ残留カーボン量が5mg/m2を超えるような入水パイプおよび巻水パイプのみに経験した.
この孔食問題を解決するため, 地下水を用いて, 3種の熱交換器の特性を研究した. 内面スズめっき熱交換器は管内表層に安定なスズ酸化物が形成されることで最も良好な耐食性を示した. 次いで残留カーボン量4mg/m2以下の銅管製熱交換器の耐食性が良好であった. Cu-0.24mass%Sn合金管製熱交換器はカーボン皮膜の有無によらず孔食が発生した. 孔食発生に対して, リン脱酸銅では残留カーボン量が, Cu-Sn合金ではスズの含有量が関与しているものと考えられた.
著者関連情報
© 社団法人腐食防食協会
前の記事 次の記事
feedback
Top