2005 年 54 巻 4 号 p. 158-163
電気防食された海洋鋼構造物に関して, 干満帯の環境がカソード電流密度に及ぼす影響を調査することを目的に行った試験の結果について報告する. 干満帯を模擬し, 空気および周期的に溶存酸素濃度が変化する3%NaCl溶液に交互に曝される条件で定電位カソード分極試験を行った. その結果, 腐食生成物が付いた炭素鋼は, 溶液に浸漬した直後のカソード電流密度が最大であった. 腐食生成物が付いた炭素鋼の最大カソード電流密度は1.00A/m2以上であり, 裸の炭素鋼の約6倍, エレクトロコーティングが付いた炭素鋼の約60倍となった.